[レポート]マルチアカウントでコストを最適化 #AWSreInvent
ゲームソリューション部の えがわ です。
AWS re:Invent 2023の BreakOut セッション「Optimize costs in your multi-account environments」のセッションレポートをお届けします。
動画
概要
クラウドに移行またはクラウドで拡張する顧客は、ビジネスへの影響を最大化しながらコストを最適化し、支出を削減したいと考えています。このセッションでは、マルチアカウント AWS 環境 (AWS Control Tower、AWS Organizations) でコストを効率的かつ大規模に最適化するためのベストプラクティスと推奨事項を学びます。クラウド移行のどの段階にいても、ワークロードとリソースに対して制御を実装し、タグ付けや AWS Compute Optimizer などのツールの使用などのコスト削減戦略を適用する方法を学びましょう。
最初にまとめ
- マルチアカウント環境において、OrganizationsとControl Towerによる基盤構築が重要
- コスト可視化のためにConfigやAWSの解析ツールを活用
- 可視化したデータを基に、継続的なコスト最適化を実現する
内容
クラウドへの移行が進み、アカウントやサービスが増えてくると、コストがどこから発生しているのかが不明瞭になりがちです。
月ごとのコスト上昇の要因がつかみづらくなる状況はよくあることでしょう。
このような場合、コスト管理の実装が必要不可欠となってきます。
エンジニアは予算内での効率的なリソース利用を目指します。
財務チームは投資効果を測定しようとします。
全体最適化を図る立場の人は共通資源の有効利用を考えます。
マルチアカウント環境でコストを管理するには、大まかに3つの段階があります。
理解と計画
まずはビジネス目標を理解し、AWSのマネージドサービスを活用していくことがポイントです。
これによりイノベーションの加速化が期待できます。
環境の構造をしっかり定めることで、コスト管理がしやすくなります。
コストの視覚化と測定
コスト分析ツールを利用してコスト指標の視覚化を行い、コストが具体的にどこから発生しているのかを測定します。
これに基づいて判断を行っていきます。
コスト管理と最適化
判断に基づきコスト管理を実装していきますが、これは一度限りの作業ではなく、環境が成長するにつれて継続的に管理していく必要があります。
コストと環境を定期的に評価し改善を図っていくサイクルが大切です。
AWS Organizationsを利用し、組織内のアカウントを管理下に置くことがコスト最適化においても重要です。
Organizationsによって一括請求が可能になるほか、次のようなメリットがあります。
- ボリュームディスカウントの適用
- アカウントごとのコストデータの可視化
- アカウント横断的なポリシー適用
OUのネスト化
ルートの下に「運用」というOUを作り、その下にさらに「本番」「ステージング」「開発」といったOUを作る、といった構成がベストプラクティス。
この方法でOUを分けることで、部門や用途別にアカウントをグルーピングできます。
各OUに対してポリシーを適用することも可能で、アカウントやコストの管理がしやすくなります。
Control TowerをOrganizationsに追加することで、ベストプラクティスに沿ったセキュリティやコスト管理が実現しやすくなります。
Configuration RecorderやTaggingのポリシーを適用することで、リソースへの適切な設定を強制し、コストデータの可視性を高めることができます。
こうした基盤を構築することが継続的なコスト最適化につながっていきます。
最後に
AWSのマルチアカウント環境におけるコスト管理は、クラウド活用が進む中で避けて通れないテーマです。
こちらのセッションではOrganizationsやControl TowerといったAWSのサービスを活用し、基盤整備から可視化、最適化という一連の流れがわかりやすく解説されています。
特に複数のOUを使ったアカウントとコストの階層的な管理は参考になりました。
複数アカウントの管理を行う方は、本セッションを受講してみてください。